“坏”爸爸 北杜夫
日语诵读文选第18课
ダメな爸爸
【诵读选篇】
私の子供は四歳をすぎた女の子である。子供というものは、短期間(みじかいあいだ)にいろいろと人相が変るもので、過去、わが子ながら可愛いと思ったことが三度ほどあった。また、わが子ながら不器量(ぶきりょう)のだと首をかしげたことが六度ほどあった
現在は、その中間型(ちゅうかんがた)くらいである。それにしても、可愛く思うことには変りがない。親バカというものはみっともないものだが、正直(しょうじき)の話、喜んでバカになりたいとも思う。
そのくせ、彼女は一年ほど前まで、あまりこの私になつかなかった。仕事部屋から追い出したり、あまり一緒に遊んでやらなかったことが原因らしい。こちらが都合のいいときだけかまおうとするので、ダッコをしようとしても逃げていったりする。
パパは悲嘆(ひたん)の淚にくれたものだ。
ただ、私が甘いことだけは知っていて、ママに隠れてお菓子(かし)をとりにゆこうとする企(たくら)みを抱(いだ)くときのみ、「パパ、ダッコ」と私を誘う。そう言われると、このパパは身体中(しんたいちゅう)グニャグニャになるのである。
しかし、最近、この経過(けいか)が変った。私は不健康な自分の身体をなんとかしようと思って一大意志を奮(ふる)い起(おそ)して、体操(たいそう)とランニングを始めた。
中年の男が、昼間からその辺(あたり)ドタバタ走っているのはみっともないから、子供を利用(りよう)することにした。いかにも子供を遊(あそば)せているふうに見せかけての、彼女と一緒にランニングをした。
「パパ、ランニングちよう」
と、彼女が誘いに来る。
そのうち、家から五分ほど離れた場所に空地(あきち)があって、ここに土(土)が盛(さか)られて小山をなしている場所を発見した。
「パパ、お山にゆこう」
と彼女がいう。
私は子供と一緒に山へゆき、手をひいてかなりの急坂をくだらせ、ついで手をひいて坂をのぼらせた。だんだんと子供も勇気が出てきて、この頃では一人きりで滑りながら登ったりする。その後姿を見ながら、
「小学生になったら日本アルプスに連れて行こう。女性アルピニストにしてもいいぞ」
などと、愚かな父親は思う。
そんなふうに、私が彼女と一緒に遊んでやる時間が多くなるにつれ、がぜん彼女は私になつきはじめた。その上、完全に甘いパパである。
このごろでは、
「パパはやさしいから好き。ママは怒るからきらい」
などともいい、教育上よくないと思うが、そう言われると、自然と私の頰はほころぶのである。
先日の夜半、彼女はおモラシをした。ママがパジャマをはぎとり、シーツをかえ、すっぱだかで泣いている子供に、
「め一」
といった。
私は胸がいっぱいになり、
「大丈夫だよ。このパパも小さいときは、たくさんおモラシをしたんだよ。小学生になってもやったんだから」
と、なぐさめたら、妻はこわい顔をした。
私は調子にのり、
「おまえのおじいちゃまは、中学生になってもおモラシをし·
たのだよ。ジャンジャンおモラシをした。それでもちゃんと文化勳章なんてものをもらった。うちは代々、おモラシを沢山したほうがえらくなれるのだよ」
と言ったら、妻はいやというほど私の横腹をつねった。
ともあれ、この父親は至(いた)って甘く、おまけに一緒に遊んでやるから、子供はこれに甘えてきて、仕事場を大いに荒(あら)す。これに「は私も弱(よわ)っているが、今のところ、可愛くて仕方がないので、まあ仕事は多少(たしょう)遅(おそ)れてもやむを得ないくらいに思っている。
しかし、このままでは子供をダメにしてしまうから、もう少し大きくなったら、がぜんきびしくおっかない父親になってやろうと思っているが、果してうまくゆくかどうか。
「マンボウおもちゃ箱」による
【作者介绍】
北杜夫(1927年一),小说家。出生在日本东京都,原名为齐藤宗吉。曾获得芥川奖。主要作品有「夜と霧の隅で」、「白きたおやかな峰」、「幽霊」等等。
【参考译文】
"坏"爸爸
我的小孩是刚满四岁的女孩。小孩的容貌在短期内会不断变化,以前我的孩子也曾有过三次让人觉得可爱的时候。然而,也有六次竟让我觉得她很丑,真是不可思议。
现在虽说长相属于一般。但她的可爱之处依然如旧。所谓溺爱子女是不好的,但说句老实话,我倒也乐意放纵她。
可是,大约一年前,她和我不太亲近了。原因好像是把她赶出我的工作间,此外,也不太和她一起玩了吧。如今,只有当我空间时才去照顾她,所以,即使想要抱抱她,她也躲得远远的。
做爸爸的真是伤心啊!
我娇惯孩子,这一点她是知道的,所以只有在企图躲开妈妈去拿点心时,才会来叫我"爸爸,抱抱"。被她这么一叫,我这个当爸爸的整个身体好像都酥软了一般。
但是,最近这种情况发生了变化。我想锻炼一下自己那虚弱的身体,鼓起很大的勇气,开始做体操和跑步。
大白天的,一个中年男子在那一带呱嗒呱嗒地跑步,不太好看,所以想利用孩子,装成带孩子玩耍的样子,和她一起跑。
"爸爸,跑步去!"
她来约我了。
不久,我发现在离我家约五分钟的地方有块空地,那里堆着土,像一座小山。
"爸爸,爬山去!"
她说。
我和孩子一起去爬山,牵着她的手从很陡的山坡上跑下来,接着,又牵着她的手让她爬坡。逐渐孩子有了勇气。最近,会一个人一步一滑地爬上去了。
看着她的背影,傻爸爸这样想,
"等上了小学后,带她去日本阿尔卑斯山,还可以把她培养成女子登山运动员呢!"
就这样,随着与她一起玩耍的时间增多,她开始与我亲热起来。由此,我完全成了娇惯孩子的爸爸。
"爸爸和气,我喜欢;妈妈好生气,我讨厌。"
最近,她竟这样说。虽然这在教育方面是有问题的,但经她这么一说,我的脸上很自然会泛起笑容。
前天夜里,她尿床了。妈妈脱了她的睡衣裤,换了床单,对着一丝不挂还在哭的孩子训斥道。
"还哭!"
我看着心里觉得难受,
"没关系,爸爸小时候也经常尿床的嘛!上小学了还尿呢。"
就这么安慰她,妻却板起了脸。
"你的爷爷上了中学还尿床呢。而且经常尿床呢。就这样还得了文化勋章呢。我家祖祖辈辈都是谁尿床厉害,谁就有成就啊。"
我趁势这么一说,妻子却狠狠地在我腰窝里拧了一把。
总之,我这个当父亲的太溺爱孩子了,而且,还和她一起玩,所以孩子就利用我这一弱点,把我的工作室搞得乱七八糟。对此,虽令我头痛,但总觉得她现在是最可爱的时候,所以,工作稍微耽误一点也是不得已的事。
不过,这样下去会把孩子惯坏的,我想等孩子稍微再大点,来做回严厉的可怕的爸爸,但不知能否实现。
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